バルーン族の女の子。
風があれば、風船がなくても空を飛べると信じている。
祖母と2人暮らし。屋根裏の書庫には「地球」の本がたくさんある。
エコロニーでは「書物」が禁止のため、屋根裏部屋のことは秘密。
祖母に読んでもらう「そらくま」のお話が大好き。
両親は、地球にいるのではないかな、と密かに思っている。
風を見に、地球に行くのが夢。
夢見が丘で拾った、クマロボの「くまちゃん」といつも一緒。
前向きで聞き分けがいいが、一度決めると頑固なところがある。
エコロニー星を監視する電気雲。
強い電波風をため込んでいる。
バルーン本島の入出を取り締まる「谷の壁」周辺によく渦巻いている。
天気を操り、島の入出を邪魔することも。
中心に大きくてギラギラした目がある。
求引力が強く、色んなガラクタが内在し絡まっている。
ベア社製くま型アンドロイド"POSEIDON"
壊れた状態のところを、ズキンに拾われる。
祖母に直してもらい、家族の一員に。
"POSEIDON"はベア族の王子の名前で、珍しいプリンスモデルである。
新品ではないため、元から意識が備わっている。人格や性格が形成されているが、中古のため経緯は不明。
屋根裏の書物の内容をすべて記憶している。物知りで地理に詳しい。
ズキンの風を探す旅をサポートする。
クールで感情表現が少ない。
ズキンの思考回路がなかなか理解できない。ズキンの無謀な行動、ひた向きさに興味を持っている。
「風船がなくても、空を飛べたらなあ」
風のない星、エコロニー。
大気の循環は、中枢に立つ「風の塔」が管理している。
巨大な塔から発信される「電波」を、ここでは「風」と呼ぶ。
この「風」がエコロニー星の、すべてのシステムを動かしている。
星には10の島があり、「風」がとどくのは、「バルーン谷」と呼ばれる本島のみ。
バルーン谷は、豊富な結晶水と結晶石からなる島で、水と石のある場所には妖精も多くみられる。
本島に住めるのは、谷に生息するバルーン族と、塔を管理するベア族のみ。
東西南北を囲む8つの島は、非文明とされる「人間」が生息する、未開の地である。
生態については不明だが、人間たちもまた、「風の塔」によって生かされているという。
「アクモ」という電気雲が、エコロニー星全体を監視している。
「かぜってなに?いつどこからやってくるの?」
バルーン谷に住むズキンちゃんは、祖母の本から「地球」を知る。
地球には、本物の「風」があり、空には風の神「そらくま」が飛んでいるらしい。
「天然風船」は、摘み取ってから数時間で枯れてしまう「汚染風船」
として危険視されている。
貧困のため、万能ガジェット「電子風船」が買えないズキンは、「夢見が丘」に風船を摘みに行くのが日課。
いつものように、樹洞を登り、妖精の棲処をそっと越える。
丘に辿り着くと、一匹のくまが落ちていた。
"made in earth BEAR inc.POSEIDON"
「メイドイン、アース。あなた、そらくまちゃんね」
壊れたくまを持ち帰り、風を探しに地球に行くことを決心する。